
京大英語で高得点を取りたい
京大英語の特徴と、どんな対策が必要かしりたい
今回はこんな悩みを解決します。
京大英語で150点中117点をとった経験をもとに、京大英語を大解剖していきます。
プロフィール

・地方の公立進学校から高校3年間塾に通わず、1浪を経て京大医学部に合格。(歩兵について詳しくはこちら)
・塾や家庭教師における指導数は10を超え、医学部や国公立合格を多数輩出。
・現役医学生ながら「本質的な学び」や「誰にでも再現可能な勉強法」についてブログで発信中。
目次
京大英語の問題形式
まずは京大英語の問題形式を確認していきましょう。
京大英語の形式はずーっと昔から同じですね。長文2題+英作文2題になります。
ただし、英作文は和文英訳2題が続いていましたが最近は和文英訳+自由英作文が基本となっています。
長年同じ問題形式であり続けるというのは、京大英語がシンプルでありつつも英語の本質的な部分をついている証拠ですね。
では、ここから問題ごとに傾向と対策を説明していきます。

京大の問題形式は長文2題+和文英訳+自由英作文で固定されているよ!
京大英語 長文問題の傾向と対策
京大英語 長文問題の傾向
まずは京大英語の長文問題を分析していきましょう。
京大英語では毎年長文が2つ出題されます。そして問題は下線部を和訳させるという非常にシンプルなもの。
ただ近年は穴埋め問題などが出題されています。したがって、和訳だけ対策していたら十分とは言い切れなくなっていますね。

長文2題で、設問はシンプルな下線部の和訳が多いよ。ただし、最近は穴埋めも出題されているよ!
しかしながら、京大の穴埋め問題はマーク模試で出るようなレベルではありません。
正確な文法的知識を前提として、文章の流れや構成、そして要旨までしっかりと把握してやっと正解できるような問題ばかりなのです。
ここから言えることは、京大が受験生に求めるものは変化していないということです。
問題形式こそ近年は変わっていますが、京大英語で問われているのは「文章を正確に読めているのか」という一点だけになります。
そして京大が出題する長文には次の2つの特徴があります。
京大英語 長文問題の特徴
- 文章の抽象度が高い
- 単語レベルが高い
京大英語の長文はとにかく文章の抽象度が高いです。
例えば僕が受験した2019年度の文章は「仮想現実」についてでした。
VRとかの話ならまだいいかもしれませんが当然そんなことはなく、「現実と仮想現実の違い」がテーマ。筆者がその違いについてどのように考えているかを読み取る必要がありました。

京大の文章は抽象度が高く、簡単には理解できないよ!
過去問を解く限り、毎年例外なく抽象的な文章が出題されています。
そしてまた、京大英語の長文に出てくる単語のレベルも非常に高いです。
おそらくどれだけ単語帳を極めても何個か知らない単語が出てくるレベルです。
単語レベルが高いと問題のレベルが上がるのは当然ですよね。
知らない単語があると文章を読むこと自体が難しいですし、知らない単語を訳せと言われる場合は意味を推測する力も必要になってきます。

単語レベルも高い!意味を推測する力も求められるよ!
ではこんなにも求められるものが高い京大英語はどのように対策していったらよいのでしょうか。
ここからはそれについて解説していきます。
京大英語 長文問題の対策
先ほども書いた通り、京大英語で求められる力は「文章を正確に読めているか」です。
ではそのためにどのような力を付けたらよいでしょうか。
僕が考える対策は以下の3つ。
京大英語 長文問題の対策
- 要点をつかむ練習をする
- 自然な和訳を心がける
- 上級レベルの単語帳を完璧にする
それぞれについて説明していきます。
要点をつかむ練習をする
最も優先して取り組んで欲しいのがこの要点をつかむ練習になります。
一般的には英語が読めること=日本語訳ができることと考えられていますが、京大レベルでは英語が読める=文章の要旨がわかるとなるのでこのスキルは非常に重要です。
一般的には… 英語が読める=日本語訳ができる
京大では… 英語が読める=文の要旨がわかる
なぜ優先的に取り組むべきかというと、要点をつかむスキルを身につけるには膨大な時間がかかるからです。
英語の長文の要点をつかむには、まずは文法や単語力が十分であることを前提として、さらに文章の構成や流れを把握することが必要になります。
1回コツをつかんでしまうと短時間でできるようになりますが、自分一人でできるようになるにはかなり地道に練習を積む必要があります。
例えば「逆接のHoweverのあとは筆者の主張がくる」とよく先生が言いますよね。この事実を知っている方は多いのではないでしょうか。
しかし、この事実を使いこなして文章の要旨把握にいかせている人は1割もいないと思います。それくらい難しいのです。
具体的にどんなことをしていたのか、要点をつかむとはどういうことなのかなどについて知りたい方はぜひ無料相談に来てみてくださいね。
自然な和訳を心がける
京大を目指すのであれば、自然な和訳をする力も身につけておきたいところですね。
自然な和訳とは、1語一句丁寧かつ順番に訳していくのではなく、文章の要点をとらえたうえでできる限り日本語として違和感がないような訳を作るということです。
自然な訳をする理由として、京大が意訳でも点数を与えてくれるというのもありますが、何より英語を読む本質的な力がつくという点が大きいですね。

自然な和訳を心がけると、英語の読解力がUPするよ!
細かい訳にこだわらないことで各文章の意味を把握するだけでなく文章同士のつながりも意識できるようになります。
まさに先ほどの要点をつかむことにつながってくるわけです。
また、自然な和訳をする練習をしていると単語の意味を推測する力もつきます。
というのも、自然な訳にしようとすると簡単な単語であっても辞書通りの意味ではうまくいかないことが多々あります。
そんな時にうまい訳を考えていると、いざ未知の単語に出会っても文脈からおおよその意味を把握できるようになるのです。

自然な和訳をしていると、単語の意味を推測できるようになるよ!
ただし、文法や単語の辞書的な意味を理解していない人が自然な和訳に挑んでも全く力はつかないので注意してください。
基礎力がしっかりしている人がさらに英語力を上げる方法になります。
上級レベルの単語帳を完璧にする
京大の長文対策3つ目は上級レベルの単語帳を完璧にするです。
語彙力がなければさすがに勝負することはできませんからね。
確かに先ほどの方法を使うなどして意味を推測する力を養うことは大切です。しかし、何でもかんでも推測していては本番いくら時間があっても足りませんよね。
やはり語彙力についてはあるに越したことはありません。
ただし、当然難しい単語を扱う単語帳に時間をかけることはコスパが悪くなりがち。というのも、難しい単語ほど試験で実際に出る可能性も低いからですね。
そこで僕がおすすめする妥協点が上級レベルの単語帳になります。

難しい単語帳はコスパが悪くなるので注意!
ここで想定しているのは『速読英単語上級編』。実際に歩兵自身が使っていたものです。このレベルまでの単語をしっかりと覚えておけば十分戦えると思います。
逆に言うと、かの有名な『鉄壁』は僕はお勧めしません。確かに収録語彙は多いのですが、先ほど言ったようにレベルが高すぎてコスパが悪いからです。
単語帳は収録されたすべての単語を完璧にして初めて意味があります。そう考えると上級レベルの単語帳までやるのがちょうどいいと考えています。
京大英語 英作文の傾向と対策
京大英語 英作文の傾向
では続いて京大英語の英作文の傾向を分析していきます。
英作文は最近は和文英訳1題、自由英作文1題で固定されています。
自由英作文が出題されるまでは和文英訳が2題出ていました。そのころに比べると少し易しくなったと思います。
というのも京大の和文英訳は天下一難しいから。
あまりにも文章が難しいので翻訳家になった気分で過去問を解いていた記憶があります(笑)
そんな京大の英作文の特徴は次の2つ。
京大英語 英作文の特徴
- 和文英訳の和文がそもそも難しい
- 論理的説明力が問われる
京大の和文英訳の最大の特徴はなんといっても英訳する和文自体が難解であること。
2017年の「生兵法は大怪我のもと」をはじめとした諺を英訳させることでも有名ですが、諺でなくても日本語としても難解な内容を平気で英訳させてきます。
日本語を全部そのまま訳そうとするとかなりの英語力が求められることになりますね。
だからこそ、日本語自体を言い換えるスキルが求められるとよく言われるのですね。

京大の和文英訳では、日本語自体を言い換える必要があるよ!
そして最近出題されるようになった自由英作文では論理的説明力が問われます。
もちろん、設問自体は他の大学でも出そうな自由英作文ではあります。ではなぜそのような問題で論理的説明力が問われると言えるのか。
それは京大が受験生に求めるレベルが非常に高いからです。
これまで長文や和文英訳の特徴を分析しましたが、共通しているのは単なる語彙や文法の知識を確認しているのではなく、文章の意味を理解しているか・要点をつかんでいるかという本質的な部分を聞いてきているというところです。
そう考えると、自由英作文だけ「正しい英語で文章が書ける」という標準レベルのことをもとているのは不自然な話ですよね。
当然、自分の主張を適切な根拠で論理的に説明できるかどうかを見てきているのではないかと思うわけです。
京大英語 英作文の対策
単に正確な英語が書けたらよいわけではなく、意味を正確にとらえた論理的な文章が求められる京大の英作文。
どのように対策をしたらよいでしょうか。
僕が考える英作文の対策は以下の3つになります。
京大英語 英作文の対策
- 使える英語表現を増やす
- 過去問を研究する
- 論理的思考力を身につける
それぞれについて説明していきます。
使える英語表現を増やす
使える英語表現を増やす。これはまあ当たり前のことではありますね。
ただし、京大を受けるのであれば文法ミスは1つも許されません。したがって、ちゃんと覚えた表現を正確にアウトプットできるかどうかが非常に重要になります。
英語表現の学習方法は一般的には文法書を使うというのが基本になると思いますが、文法書って分厚くてやる気が出なくないですか?
少なくとも僕は文法書を前にして勉強のモチベーションは上がりませんでした。
そんな僕が実践していたのは、授業で扱った英語表現を徹底的に覚えることです。

文法書で勉強するのは大変!授業をうまく使って英語表現を覚えよう!
基本的に授業では文章中に含まれる大事な表現をピックアップして説明してくれますよね。そこで紹介された表現を自分のものにするのです。
これをするメリットは授業中に2次につながる勉強ができること。早くから意識していれば授業を受けていくだけで自然と表現力が付き、高3夏ごろにはそれなりの文章が書けるようになります。
実際に僕は授業の復習だけでしっかりと得点できる文章が書けるようになっていました。
なお、英語を学習するときは読んだり書いたりするよりもとにかく音読するようにしてください。
僕は同じ文を最低10回は音読していました。文章を丸ごと暗記するくらいの勢いで勉強するのがポイントです。
過去問を研究する
過去問の研究。これも必須になってくると思います。
というのも、京大の英作は一般的な問題とは次元が違うからですね。
ふつうは日本語の1文を英訳するという問題が多いですが、京大ではそもそも1文が長いうえに複数の文を英訳しなければなりません。
したがって、京大英語の対策は過去問でしかできないんですよね。
過去問を研究すべきもう一つの理由は、和文を言い換える練習を積む必要があるから。
先ほど書いた通り、京大の英訳は日本語自体が難解です。そのため、自分で日本語をかみ砕いて解釈し、平易な日本語に言い換える必要があるんですよね。
この練習も過去問を使ってしかできません。英作文に関してはできるだけ過去に遡るべきだと思います。どの年の問題を解いても確実に大きな学びが得られます。
論理的思考力を身につける
対策3つ目は論理的思考力を身につけることになります。
これは自由英作文で得点をとるための対策です。
ただ、論理的思考力ってどうしたら身につくのかってわかりにくいですよね。論理的思考力というのは小手先のテクニックではないため、非常に鍛えるのが難しいです。
短期間で論理的思考力を身につけようというのはかなり無謀と言えますね。
そのため、論理的思考力を身につけるためには普段から論理的に物事を考える習慣をつけることが肝要。

自分で文章を書いたり、あるいは意見を述べたりするときに自分の主張がはっきりとしているか、そしてその主張を裏付ける根拠が明確になっているかどうかを確認するようにしましょう。
そうやってう普段から論理性を意識するだけでもかなり変わってきます。
他にも文章を読むときに文章の論の展開を追うというのも良い対策になります。基本的に我々が読む文章は論理性が担保されているので、お手本としては格好の教材。
文章の主張をとらえたりすることは長文問題の対策にもなるのでぜひ取り組んでみてください。
まとめ
今回は京大英語の傾向と対策についてご紹介しました。
京大を受験するのであれば、しっかりと敵について知っておくことは重要です。
今回の記事を参考にしながら今後の勉強計画を立てて欲しいと思います。
その中で自分の勉強法に不安があったり、もう少し京大について知りたいと思った方は僕に直接無料相談もできるのでぜひ検討してみてくださいね。
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