高校数学

じゃんけんで勝負がつく確率: 大学受験における確率理論の実用的な応用

みなさん。こんにちは!歩兵ブログです。今回も大学受験生に役立つ数学の記事を投稿したいと思います。

生徒

先生!じゃんけんの問題がわかりません泣

歩兵

また確率ですか笑

生徒

はい…

歩兵

仕方ないですね笑では、やっていきましょう!

目次

じゃんけんの勝負がつく問題の考え方について

じゃんけん確率問題の概要

今回取り扱うのは、「A、Bさんがじゃんけんをして、5回目で初めてAさんが先に3勝する確率は?」といった問題です。ここでは、反復試行の重要事項とグーチョキパーが等しく3分の1の確率で出されるということが非常に重要になってきます。

反復試行について

はじめに反復試行の確率の求め方について学習しましょう。

反復試行

1回の事象において、事象Aが起こる確率をp、事象Bが起こる確率を(1-p)とする。また、1回の試行においてA,Bのいずれかのみが起こるとする。

その時、n回の試行において、Aがk回、Bが(n-k)回起こる確率は、

$${{}_nC_r}\times{p^k}\times{(1-p)^(n-k)}$$

これは、事象が3つ以上になっても同じように考えることができます。

じゃんけんにおいて、あいこの場合分けはしなくて良いの?

じゃんけんの問題で、重要なポイントの一つにあいこがあります。もし、あいこが起きてしまうと、その試行では誰の勝ち数も増えず、非常にややこしいことになります。そのような条件が入ると一気に難解になることがあります。

しかし、ご安心ください。後ほど、解説しますが、今回の問題の条件ではそこまで複雑にはなりません!また、易しい問題では「あいこは考えなくて良いものとする」といった注釈が書いてあることもあります。問題文をしっかりと読みましょう。

生徒

反復試行か、、確か習ったような気がするなぁ

歩兵

この反復試行が、じゃんけん確率問題で、非常に重要なんですよ!

生徒

でも、反復試行とじゃんけんどんな関係があるんだろう、、?

歩兵

もう1問応用問題を見ていこう!!

じゃんけんの勝負がつく問題の解き方

言葉で原理を説明するより、実際の問題で説明した方が楽だと思うので、例題を1つ提示します。

例題

A、Bさんがじゃんけんをする。先に3勝した方を優勝とし、優勝した場合ゲームは終了する。この時、Aさんが5回目にちょうど優勝する確率を求めよ。ただし、あいこは起こらないものとする。

じゃんけんで勝負がつく問題で陥りやすい間違い

この例題で間違いやすい解答があります。それがこちらです。

誤答

5回の試行の中で、Aさんが3勝し、Bさんが2勝すればよい。
1回の試行で、Aさんが勝利する確率は、\(\frac{1}{2}\)。また、Bさんが勝利する確率は、\(\frac{1}{2}\)。
よって、反復試行の公式から求める確率は、\({{}_5C_3}\times{(\frac{1}{2})^3}\times{(\frac{1}{2})^2}=\frac{5}{16}\)

この間違いはほんとによく起こります。では、この問題のどこがいけないのでしょうか。この考え方では、1~3回目がAさんの勝ち、4,5回目がBさんの勝ちといった場合も含まれてしまいます。

しかし、この場合ではAさんは3回目に優勝してしまい、ちょうど5回目に優勝するという条件に合いません。よって、条件に合わない場合も含まれているということになります。

生徒

え~この考え方はダメなのか……

正しい考え方

では、正解にたどり着くにはどのような考え方をすればいいのでしょうか。はじめに、Aさんが5回目に優勝するということは、Aさんは4回目までにちょうど2勝しなければいけません。0または1勝では、5回目に3勝目をあげることはできませんし、3勝以上では4回目までに優勝してしまいます。

また、今回はあいこがないことを含めると、Aさんの4回目までの成績は2勝2敗です。そのうえで、5回目にAさんが勝たなければいけません。

正しい解答

正答

Aさんが5回目にちょうど優勝するので、Aさんは4回目までは2勝2敗で、5回目に勝利すれば良い。

Aさんが4回目まで2勝2敗である確率は、反復試行の考え方から、\({{}_4C_2}\times{(\frac{1}{2})^2}\times{(\frac{1}{2})^2}=\frac{3}{8}\)。
また、5回目にAさんが勝利する確率は、\(\frac{1}{2}\)。
よって、求める確率は、\({\frac{3}{8}}\times{\frac{1}{2}}=\frac{3}{16}\)

じゃんけんで勝負がつく問題のまとめ&補足

まとめ

歩兵

今回解説したじゃんけん確率の考え方は理解できたかい??

生徒

はい!単純に反復試行で考えるのではなく、1回前までを反復試行で考えて最後合わせれば良いんですね!

ポイント

・反復試行の確率の基本事項理解

・全部で計算するのではなく、1回前と区切って考える

補足事項:あいこが入った場合

今回の問題では、あいこが加わってもそこまで大変ではありません。それぞれが何勝するかに照準を当てているので、あいこと負けをひとくくりに考えることができます。

ポイントは、2人のじゃんけんの場合、Aさんが勝ち、Bさんが勝ち、あいこの確率は全て3分の1です。これが3人以上になるとまた変わってくるので気を付けて下さい。実際にさっきの問題であいこが入ったバージョンを見ていきましょう。

例題

A、Bさんがじゃんけんをする。先に3勝した方を優勝とし、優勝した場合ゲームは終了する。この時、Aさんが5回目にちょうど優勝する確率を求めよ。

解答

Aさんが5回目にちょうど優勝するので、Aさんは4回目までに勝ちを2回、負けまたはあいこを2回記録し、5回目で勝てばよい。

Aさんが4回目までちょうど2勝する確率は、反復試行の考え方から、\({{}_4C_2}\times{(\frac{1}{3})^2}\times{(\frac{2}{3})^2}=\frac{4}{27}\)

また、5回目にAさんが勝利する確率は、\(\frac{1}{3}\)。

よって、求める確率は、\({\frac{4}{27}}\times{\frac{1}{3}}=\frac{4}{81}\)

今回の記事はいかがでしたか?最後までご覧いただきありがとうございます。


  • この記事を書いた人

歩兵

京大医学部現役生。地方の公立高校から合格。受験期の自らの体験をもとに「再現性がありかつ成績が伸びる勉強法」を発信している。

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