高校数学

【究極ガイド】二次方程式の解範囲を完全制覇するための3つのステップ

生徒

先生!模試とかでよく出てくる二次方程式の解範囲の問題がよくわかりません泣

歩兵

あ~あの問題は頻出かつ難解ですよね

目次

二次関数の解範囲とは何か?

実践問題だけ見たい方は飛ばしてもらって構いません

概要

二次関数は一般にax2+bx+cの形を持っています。abcは定数で、aは0でないとされます。この形の関数が与えられたときに、その解範囲を知ることは大学受験において非常に重要です。

今回扱う問題は、「\(x^2+3x+a=0\)が\({-1}\leq{x}\)に異なる2つの実数解をもつaの範囲を求めよ」といった二次方程式と二次関数を絡めた問題です。

二次関数と二次方程式の関係

解範囲とは、二次関数が取り得る値の範囲のことを指します。これは、実数全体、あるいは一定の区間内での最大値や最小値を求める場合に重要になります。解範囲を理解することで、関数の性質やグラフの形状がより深く理解できます。

二次方程式と二次関数には密接な関係があります。特に、二次関数のグラフを考えることは非常に重要です。例えば、「\(x^2+ax+2=0\)が実数解をもつaの範囲を求めよ」といった問題は、\(y=x^2+ax+2\)がx軸と少なくとも1点で交わるようなaの範囲を求めよ」といった文と同義です。

二次関数の解範囲を求める基本的な手法

因数分解を用いた方法

二次関数が与えられたとき、まずは因数分解を試みましょう。因数分解ができる場合、解範囲を求める手法が多くの場合、簡単になります。例えば、「\({2x^2+5x+2}\lt{0}\)」という不等式を解くときには、たすきがけを用いて因数分解をして「\({(2x+1)(x+2)}\lt{0}\)」といった式にします。次に下図のようにグラフを考えると、解範囲はとなります。

判別式を活用する方法

判別式\(D=b^2-4ac\)を用いて、解の存在を判定できます。この値によって、解が存在する範囲が異なるため、解範囲を特定する際には非常に役立つツールとなります。

よくある判別式の使用例は、異なる2つの実数解をもつ場合は\({D}\gt{0}\)、重解をもつ場合は\(D=0\)、実数解をもたない場合は\({D}\lt{0}\)となります。

グラフを使って解範囲を探る

数学ソフトやグラフ用紙を用いて、二次関数のグラフを描くことで、視覚的に解範囲を把握する方法もあります。これは、特に複雑な問題において有用です。

また、グラフの端点を用いて定数の範囲を絞ることもできます。

歩兵

もう1問応用問題を見ていこう!!

二次関数の解範囲のよくある問題形式とその解き方

生徒

ちょっとまだイメージつきません、、

歩兵

では実際の問題を解いてみましょう。

例題

\(x^2-2x+a=0\)が\({0}\leq{x}\leq{3}\)に解をもつようなaの値の範囲を求めよ

判別式で条件を絞る

与えられた方程式を①とする。①は少なくとも1つ解をもつので、①の判別式をDとすると、\({D}\geq{0}\)。因みにこれは①が異なる2つの解をもつ場合と、重解をもつ場合を両方含む。

2つに場合分けをする

このような解をもつしか条件がない問題はパターンが2つ考えられる。もし、場合分けをしなければ次の軸や端点の条件を上手く扱うことができない。

ここで、\(f(x)=x^2+2x+a\)とする。また、以後の説明では、\({0}\leq{x}\leq{3}\)を該当範囲と呼ぶ。

①が該当範囲に1つ、それ以外の範囲に1つ解をもつ場合

f(x)が該当範囲でちょうど1回x軸と交わればよいので、f(0)とf(3)の符号が逆もしくは0であればよい。すなわち、\({f(0)f(3)}\leq{0}\)

①が該当範囲に異なる2個の解、または重解をもつ場合

軸の位置

軸をさかいに、グラフの増減が変わる。該当範囲に異なる2つの解、または重解と持つので、軸は該当範囲内にある。

グラフの端点の条件

f(x)が該当範囲内で、x軸と2回交わるので、端点のy座標すなわちf(0),f(3)は0または正である。

例題

\(x^2-2x+a=0\)が\({0}\leq{x}\leq{3}\)に解をもつようなaの値の範囲を求めよ

解答

与えられた方程式を①とする。①は少なくとも1つ解をもつので、①の判別式をDとすると、\({D}\geq{0}\)。よって、\({4-4a}\geq{0}\)。すなわち\({a}\leq{1}\)(②)。ここで、\(f(x)=x^2-2x+a\)とする。また、以後の説明では、\({0}\leq{x}\leq{3}\)を該当範囲と呼ぶ。

[1]①が該当範囲に1つ、それ以外の範囲に1つ解をもつ場合

f(x)が該当範囲でちょうど1回x軸と交わればよいので、\({f(0)f(3)}\leq{0}\)。ゆえに、\({a(a+3)}\leq{0}\)。すなわち、\({-3}\leq{a}\leq{0}\)

これは②を満たす。

[2]①が該当範囲に異なる2個の解、または重解をもつ場合

f(x)の軸は、aの値に関係なく、該当範囲内にあるのでこの場合は考えない。

次に、\({f(0),f(3)}\geq{0}\)。よって、\({a}\geq{0}\)

②との共通範囲は、\({0}\leq{a}\leq{1}\)

[1][2]より求めるaの値の範囲は、\({-3}\leq{a}\leq{1}\)

まとめ

ポイント

・判別式の条件

・軸の位置

・グラフの端点の条件

今回の記事はいかがでしたか?最後までご覧いただきありがとうございます。

  • この記事を書いた人

歩兵

京大医学部現役生。地方の公立高校から合格。受験期の自らの体験をもとに「再現性がありかつ成績が伸びる勉強法」を発信している。

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