高校数学

高校数学で理解する「n乗の展開」:基礎から応用まで

生徒

先生!二項定理が良く分かりません…

歩兵

これは、地味なようで意外と数Ⅲとかでも使うんだよ。大事な定理だからしっかり理解しよう!

目次

n乗の展開について

概念的な話になるので、飛ばしてもらっても構いません!

n乗の展開とは

n乗の展開では、\((1+x)^n\)といった式を実際に展開します。勿論、n個全ての項を書き上げることは不可能なので、数列のように第k項の一般項を考えます。

2乗、3乗の展開は、数1でやった公式を使えば解けますが、n乗といった具体的な数がない場合は二項定理が必須になります。

n乗の展開:Cと重複順列の使い方について

この二項定理を考えるにあたって、数Aで学習した場合の数分野が必要です。一度復習しましょう!

組み合わせと重複順列

異なるn個のものからk個取り出す方法は、\({}_nC_k\)

n個の中に同じものが p 個、q 個、r 個、……ずつあるときの並べ方の総数は、\(\frac{(p+q+r)!}{p!q!r!}\)

生徒

こんなの当たり前じゃないですか!

歩兵

でもこれが後々重要になってくるんだよ

n乗の展開:各項の係数を用いた考え方

\((x+y)^n\)の展開について考えていきます。

二項定理の導入:係数で考える

\((x+y)^n\)は当然のことながら\((x+y)\)をn回かけたものです。

ここで、展開したものの内、\(x^2y^(n-2)\)の係数を考えていきましょう。n回かけた\((x+y)\)の内、2個をxに、(n-2)個をyに費やせばよいです。つまり、係数はxを2個選択する場合の数に等しくなり、\({}_nC_2\)となります。

展開式の係数の決め方

\((x+y)^n\)の展開式において、\(x^ky^(n-k)\)の係数は、\({}_nC_k\)

n乗の展開:二項定理の本質

先ほど、各項の係数の決め方について学習しました。それを踏まえて、各項を足し合わせれば展開式が完成します。

二項定理

$$(x+y)^n=y^n+{}_nC_1x^ky^(n-1)+{}_nC_2x^2y^(n-2)+…+{}_nC_(n-1)x^(n-1)y+x^n$$

歩兵

もう1問応用問題を見ていこう!!

n乗の展開:多項定理

次に多項式の展開について考えていきます。例えば、\((x+y+z)^n\)などです。

n乗の展開:係数で考える

\((x+y+z)^n\)は当然のことながら\((x+y+z)\)をn回かけたものです。

\(x^py^qz^r\)の係数について考えていきます(\(p+q+r=n\))。n回かけた\((x+y+z)\)の内、p個をxに、q個をyに、r個をzに費やせばよいです。

ここまでは二項定理と考え方は同じです。しかし、ここから少し異なります。

n乗の展開:重複順列の利用

係数は、n個の中から、同じものがそれぞれp個、q個、r個ある時の並べ方の総数より、重複順列の考え方から\(\frac{(p+q+r)!}{p!q!r!}\)となります!

3つ以上の項のn乗の展開では、実際に展開すると大変なので、ほとんどは係数のみを考えます。

まとめ

今回は、多項式のn乗の展開というテーマで、二項定理や多項定理を扱いました!いかがでしたか?

  • この記事を書いた人

歩兵

京大医学部現役生。地方の公立高校から合格。受験期の自らの体験をもとに「再現性がありかつ成績が伸びる勉強法」を発信している。

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