mathjax
先生!平面ベクトルで出てくる\(s+t=1\)を使った存在範囲がわかりません!
三角形の内分を利用する部分だね、、よく入試にも出るからしっかり抑えよう!!
目次
そもそも三角形のベクトルの存在範囲とは?
ベクトルの存在範囲にはどういった問題があるのか
理屈で説明してもわかりずらいので、実際に問題を見てましょう!
例題
$$\overrightarrow{AP}=s\overrightarrow{AB}+t\overrightarrow{AC}$$
\(s+t=1\), \({s}\geq{0}\), \({t}\geq{0}\)
このとき、点Pの存在範囲を答えなさい
この段階では、まだ何を言っているのかわかりませんね
ベクトルの復習
存在範囲を考える前に、ベクトルの内分の話を復習しましょう
ベクトルの内分
\(\triangle\)ABCにおいて、辺BCをs:tに内分する点をPとすると、
$$\overrightarrow{AP}=\frac{t\overrightarrow{AB}+s\overrightarrow{AC}}{s+t}$$
ちなみに、外分の場合はこちらになります。意外と出てくるので外分の定義と合わせて覚えておきましょう。
ベクトルの外分
\(\triangle\)ABCにおいて、辺BCをs:tに内分する点をPとすると、
$$\overrightarrow{AP}=\frac{-t\overrightarrow{AB}+s\overrightarrow{AC}}{s-t}$$
三角形のベクトルの存在範囲:考え方
例題
$$\overrightarrow{AP}=s\overrightarrow{AB}+t\overrightarrow{AC}$$
\(s+t=1\), \({s}\geq{0}\), \({t}\geq{0}\)
このとき、点Pの存在範囲を答えなさい
ベクトルの存在範囲:式で考える
\(s+t=1\)より、
$$\overrightarrow{AP}=s\overrightarrow{AB}+t\overrightarrow{AC}=\frac{s\overrightarrow{AB}+t\overrightarrow{AC}}{t+s}$$
よって、点Pは辺BCをt:sに内分する点。ここで、s,tは和を1に保ちながら0から1の任意の実数を動くので、点Pの存在範囲は線分BC
三角形のベクトルの存在範囲:内部に存在
ベクトルの存在範囲:内部に存在
例題
$$\overrightarrow{AP}=s\overrightarrow{AB}+t\overrightarrow{AC}$$
\({0}\leq{s+t}\leq{1}\), \({s}\geq{0}\), \({t}\geq{0}\)
このとき、点Pの存在範囲を答えなさい
ベクトルの存在範囲:式で考える
\(s+t=0\)のとき、\(s=0\),\(t=0\)から\(\overrightarrow{AP}=\overrightarrow{0}\)。この時、点Aと点Pは一致
上記以外のとき、\(k(s+t)=1\)となるkを取り、\(s'=ks, t'=kt\)とすると、
$$\overrightarrow{AP}=\frac{1}{k(s'\overrightarrow{AB}+t'\overrightarrow{AC})}$$
ここで、\(s'+t'=1\)より、\(s'\overrightarrow{AB}+t'\overrightarrow{AC}=\overrightarrow{AP'}\)とすると、点P’は線分BC上を動く
次に、kは1以上の全ての実数を取るので、点Pは結果的に\(\triangle\)ABCの周及び内部を動く
もう1問応用問題を見ていこう!!
三角形のベクトルの存在範囲:変則的係数
例題
$$\overrightarrow{AP}=3s\overrightarrow{AB}+2t\overrightarrow{AC}$$
\(s+t=1\), \({s}\geq{0}\), \({t}\geq{0}\)
このとき、点Pの存在範囲を答えなさい
三角形のベクトルの存在範囲:変則的係数
\(\overrightarrow{AB'}=3\overrightarrow{AB}\), \(\overrightarrow{AC'}=2\overrightarrow{AC}\)となるようなB',C'を取ると、
$$\overrightarrow{AP}=s\overrightarrow{AB'}+t\overrightarrow{AC'}$$
ここで、\(s+t=1\), \({s}\geq{0}\), \({t}\geq{0}\)より、点Pの存在範囲は、線分B’C’