プロフィール

・地方の公立進学校から高校3年間塾に通わず、1浪を経て京大医学部に合格。(歩兵について詳しくはこちら)
・塾や家庭教師における指導数は10を超え、医学部や国公立合格を多数輩出。
・現役医学生ながら「本質的な学び」や「誰にでも再現可能な勉強法」についてブログで発信中。

先生!数列の複利計算がわかりません。
金利が何%みたいな内容ですが、全然理解できません。

この問題は、等比数列の応用問題だね、文章題になってる分更に難しいね

複利計算の問題は共通テストでもよく出題されるよ!
目次
数列と複利計算の基本概念
これから話す内容は概念的な話になるので、理解している方は飛ばしてもらって構いません。
そもそも金利とは
「複利計算」。皆さんにはあまり馴染みのない言葉ですよね。
この言葉はよく金融関係で用いられます。銀行にお金を預けたときに、1年間預ければわずかではありますが利息が生じます。それが金利です。
例えば、金利0.1%であれば10万円を1年間預けると、結果的に10万100円となって返ってきます。
複利、積み立てについて
先ほど、金利について説明しましたが、複利、積み立てはそれの応用です。
複利
複利の仕組みは、簡単に言うとお金を預ければ預けるほど利息が発生するということです。金利0.1%で100万円を2年預けたとしましょう。
この設定では、預けて1年後には100万+1000円、2年後には100万+1000円+1001円ということになります。あくまで、前年度のお金を元に利息を決めるということです。

難しい、、、泣
積み立て
積み立ては先ほどの複利の応用です。複利に加えて、1年ごとに新たなお金を預金していきます。
例えば、金利0.1%、毎年1万円積み立ての場合などがあります。この場合の詳しい計算方法は後ほど解説します。
複利計算と数列:等比数列の和
複利計算をするにあたって、数列の知識が必要になります。
等比数列
初項a、公比r、項数nの等比数列の一般項は、
$$a_n=ar^(n-1)$$
公式
初項a、公比r、項数nの等比数列の和は
$$S=\frac{a(1-r^n)}{1-r}$$
数列と複利計算:具体的な考え方
実際に例題を見ていきましょう
例題
年利0.1%、1年ごとの複利で、毎年度初めに1万円ずつ積み立てると、10年度末には元利合計はいくらになるか。ただし、(1.001)10=1.01とする。
ステップ1
実際に問題にあたる前に、金利の計算方法です。ここで特に重要なのは、金利0.1%で1年間預けるということは、元金が1.001倍になるということです。同じく2年間預ければ、元金は\((1.001)^2\)倍になって返ってきます。
この考え方を用いて、詳しい計算をしていきます。
ステップ2
この問題のポイントは、各年ごとのお金ではなく、あくまで10年後の金額を考えるということです。それには、預けた年ごとに考える必要があります。
まず、初めに10年目に預けたお金は1.001倍されます。9年目に預けたお金は\((1.001)^2\)倍されます。8年目、7年目…と考えていくと、最後1年目に預けたお金は、\((1.001)^10\)倍されます。すなわち、k年目に預けたお金は、最終的に\((1.001)^(10-k)\)倍されるということです。
ステップ3
ステップ2から求める金額をSとすると、
$$S=\sum_{k=1}^{10}{10000}\times{(1.001)^(10-k)}$$
となります。これは、初項10010、公比1.001、項数10の等比数列の和となり答えを求めることができます。

理解はできたけど、なかなか複雑だね、、、

実際にまとめた解答を作ってみよう!
数列と複利計算:実際の解答
例題
年利0.1%、1年ごとの複利で、毎年度初めに1万円ずつ積み立てると、10年度末には元利合計はいくらになるか。ただし、(1.001)10=1.01とする。
解答
問題の条件から、k年目に預けた1万円は、最終的に\({10000}\times{(1.001)^(10-k)}\)円となって返ってくる
よって、元利合計をSとすると、
$$S=\sum_{k=1}^{10}{10000}\times{(1.001)^(10-k)}$$
これは、初項10010、公比1.001、項数10の等比数列の和となるので、
$$S=\frac{10010((1.001)^(10)-1)}{1.001-1}$$
\((1.001)^(10)=1.01\)を用いて、これを計算すると\(S=100100\)
まとめ
今回は、複利計算についての記事でした!かなり複雑だったと思いますが、よく出る問題なので、確実に理解するようにしましょう。
今回の記事はいかがでしたか?最後までご覧いただきありがとうございます。
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