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「実数条件と領域問題:大学受験数学で差がつく解き方」

生徒

先生!実数条件を使った問題がよく模試にでるのですが、よくわかりません
x,yに加えてu,vといった文字も含まれていて、、

歩兵

あの分野は多くの受験生が苦手とするところだからねえ

歩兵

でも、落ち着いて一つずつ考えれば大丈夫だよ!

目次

実数条件とは何か:基礎から理解する

実数条件・領域とは

実数条件とは、数学の問題において、特定の変数が取ることのできる値が実数であるという条件を指します。

また、領域では、条件を満たす(x,y)の動く範囲を図示せよといった問題がでます。条件を満たす部分を斜線で塗りつぶせば、たいていは問題ありません。

二次方程式との関係

実数条件に関する問題を解くうえで、二次方程式は必須事項です。中でも、判別式と解の公式が極めて重要になります。まず、その2つを復習しましょう。

判別式

二次方程式\(ax^2+bx+c=0\)の判別式をDとすると、\(D=b^2-4ac\)。

この二次方程式が実数解を持っていれば\({D}\geq{0}\)
さらに異なる2つの実数解を持っていれば\({D}\gt{0}\)

解と係数の関係

二次方程式\(ax^2+bx+c=0\)の実数解をα、βとすると

$$α+β=-\frac{b}{a}$$

$$αβ=\frac{c}{a}$$

生徒

こんなの当たり前でしょ

歩兵

ですが、こういった小さな基本事項が問題を解くカギになるのですよ


実数条件と領域:考え方

例題

\(x=u+v\),\(y=uv\)とする。u,vがすべての実数を動くとき、x,yの条件を示せ

問題確認

まず、確認したいのが、今回すべての実数を動くのは、u,vであってx,yではありません。ここを取り違えると問題は解けません。

言い換えると、x,yをどのような条件にすれば結果的にu,vがすべての実数を動くのかということです。

二次方程式の利用

次に、具体的な考え方です。u,vを実数解にもつ二次方程式を①とします。このとき、解と係数の関係から①は\(t^2-(u+v)t+uv=0\)すなわち\(t^2-xt+y=0\)となります。

その時、u,vがすべての実数を動くことは、①がすべての実数範囲で実数解をもつこととぴったり同じです。

判別式の利用

さて、問題を言い換えると方程式①が実数解を持てばよいということになります。判別式をDとすると、\(D=x^2-4y\)で、\({D}\geq{0}\)。

今回に関しては、u,vが同値か異なるかといった条件はないので、単に実数解をもつというだけで大丈夫です。

歩兵

落ち着いて一つ一つ考えれば、今まで習ったことの繰り返しですね

歩兵

もう1問応用問題を見ていこう!!


実数条件と領域:実際の解答の作り方

例題

\(x=u+v\),\(y=uv\)とする。u,vがすべての実数を動くとき、x,yの条件を示せ

解答

二次方程式\(t^2-(u+v)t+uv=0\)すなわち\(t^2-xt+y=0\)を①とする。

解と係数の関係から、①は実数解としてu,vを持つ

①の判別式をDとすると、\(D=x^2-4y\)

①が実数解を持てばよいので、\({D}\geq{0}\)すなわち\({x^2-4y}\geq{0}\)

整理すると、\({\frac{x^2}{4}}\geq{y}\)

生徒

なるほど、判別式を上手く利用すればいいんだね!

実数条件と領域:応用

応用例題

\(x=u+v\),\(y=uv\)とする。u,vが\({u^2+v^2}\leq{4}\)を動くとき、x,yの条件を示せ

考え方

今回の問題は、前と違い、\({u^2+v^2}\leq{4}\)を動くという条件付きです。しかし、それでも考え方は変わりません。

基本的には、前問と同様に、判別式を用いた後、さらに条件を絞っていきます。

解法

はじめは、先ほどの問題と同様に、\({\frac{x^2}{4}}\geq{y}\)となります。これが一つ目の条件です。

次に、\({u^2+v^2}\leq{4}\)を考えていきます。この不等式をx,yで表せればよさそうです。結果的には

$$u^2+v^2=(u+v)^2-2uv=x^2-2y$$となります。

実際の解答

応用例題

\(x=u+v\),\(y=uv\)とする。u,vが\({u^2+v^2}\leq{4}\)を動くとき、x,yの条件を示せ

解答

二次方程式\(t^2-(u+v)t+uv=0\)すなわち\(t^2-xt+y=0\)を①とする。

解と係数の関係から、①は実数解としてu,vを持つ

①の判別式をDとすると、\(D=x^2-4y\)

①が実数解を持てばよいので、\({D}\geq{0}\)すなわち\({x^2-4y}\geq{0}\)

整理すると、\({\frac{x^2}{4}}\geq{y}\)(②)

次に、\(u^2+v^2=(u+v)^2-2uv=x^2-2y\)

よって、\({x^2-2y}\leq{4}\)。整理すると\({y}\geq{\frac{x^2}{2}-2}\)(③)

②③より求める条件は、\({\frac{x^2}{4}}\geq{y}\),\({y}\geq{\frac{x^2}{2}-2}\)


  • この記事を書いた人

歩兵

京大医学部現役生。地方の公立高校から合格。受験期の自らの体験をもとに「再現性がありかつ成績が伸びる勉強法」を発信している。

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