高校化学

PETやナイロンなど高分子の反応式をわかりやすく解説

歩兵

PETやナイロンの作り方・構造式がわからない

今回はこのような悩みを解決します。

試験で頻出のPETやナイロンについてしっかりと理解して、高分子の得点率を上げてやりましょう。

プロフィール

歩兵

・地方公立から京大医学部合格した現役医大生

・「誰でも成績が上がる」勉強法を発信

・個別指導や塾で多数の指導歴と実績あり

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目次

ポリエチレンテレフタラートの作り方

まずはポリエチレンテレフタラート(PET)の作り方を見ていきましょう。

テレフタル酸+エチレングリコール

ポチエチレンテレフタラートというのは、テレフタル酸エチレングリコールから合成されます。

このように、高分子の原料となる物質は単量体(モノマー)と呼ばれます。

よく見てみると、ポリエチレンテレフタラートに「エチレン」と「テレフタル」という単語が入っていますね。

こういったヒントもうまく活用して単量体の名前と構造を覚えましょう。

縮合重合(エステル結合)

PETというのは、先ほどの単量体を使って縮合重合することで合成されます。

縮合重合の定義は次の通りです。

縮合重合

縮合重合とは、単量体が縮合しながら次々と結合すること

ポリエチレンテレフタラートの場合は水分子がとれるエステル化を繰り返すことで合成されるため、縮合重合と言えます。

これを繰り返すと…

まずはこの構造式を書けるようになりましょう。

その次のステップとして、計算問題が解けるようになります。

ナイロン6の作り方

次にナイロン6の作り方を見ていきます。

εカプロラクタム

ナイロン6の単量体はεカプロラクタムです。

変わった名前なので覚えやすいのではないでしょうか。

εカプロラクタムに含まれるCの数は6。これはナイロン6の6に一致しているので覚えておくとよいですよ。

そしてεカプロラクタムは7員環で、アミド結合が含まれています。

開環重合

そしてεカプロラクタムが開環重合したものがナイロン6となります。

開環重合の定義は次の通り。

開環重合

開環重合とは、環状構造が開いて単量体が複数結合すること

つまり今回のケースではアミド結合部分で環状構造がなくなり、別の分子と結合することでナイロン6が形成されます。

ナイロン66の作り方

最後にナイロン66の作り方を紹介します。

アジピン酸+ヘキサメチレンジアミン

ナイロン66の単量体はアジピン酸ヘキサメチレンジアミンになります。

ここで、先ほどのナイロン6と同じようにアジピンさんとヘキサメチレンジアミンに関しても炭素数が6ずつであることがわかります。だから名前がナイロン66なんですね。

縮合重合(アミド結合)

そしてナイロン66は先ほど説明した縮合重合によって作られます。

ただし、ナイロン66の場合はエステル結合ではなくアミド結合で重合していきます。

まとめ

今回はPETナイロンについて解説しました。

高分子は覚えることが多くて大変ですが、逆に言えば覚えてしまえば安定して得点が取れます。

ぜひ今回の内容を参考にして物質の名前や構造を覚えてください。

  • この記事を書いた人

歩兵

京大医学部現役生。地方の公立高校から合格。受験期の自らの体験をもとに「再現性がありかつ成績が伸びる勉強法」を発信している。

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