
オゾン分解っていったい何なの?
今回はこの悩みを解決します。
最後まで読んでいただければ、オゾン分解とは何かを理解するだけなく、問題への応用力もつきますよ。
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目次
有機化学におけるオゾン分解とは
早速ですが、オゾン分解とは何かを解き明かしましょう。
一言で言うと、オゾン分解とは炭素間二重結合の酸化反応になります。
ポイント
オゾン分解とは、炭素間二重結合の酸化反応のこと
あまりにシンプルすぎて具体的なイメージが付きにくいですよね。でも大丈夫。
なぜならオゾン分解とは何かというよりも、オゾン分解で何が起こるかの方が重要だからです。
ではオゾン分解の中身を具体的に見ていきましょう。
オゾン分解とは二重結合の酸化
先ほども言ったようにオゾン分解の対象は炭素間二重結合をもつ有機物。
ここでは例としてプロペンを使って説明したいと思います。プロペンの構造は次のようになっています。

さあプロペンをオゾン分解してみましょう。
オゾン分解では二重結合部分で分離し、炭素間二重結合が炭素と酸素の間の二重結合に置き換わります。いわゆるケトン基になるということですね。

プロペンの場合はオゾン分解することでホルムアルデヒドとアセトアルデヒドに分解されていることがわかりますね。
ポイント
オゾン分解ではC=C二重結合の部分で分離し、C=CがC=Oに置き換わる
オゾン分解と過マンガン酸カリウムによる酸化の違い
オゾン分解というのは名前が特徴的なので聞いたことがあるという人は多いです。
ところが似たような反応がもう一つあるのはご存じでしょうか。
それは過マンガン酸カリウムによる酸化です。過マンガン酸カリウムは強力な酸化剤で有名ですよね。
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実は過マンガン酸カリウムを使った場合も炭素間二重結合を酸素に置き換えることができるのです。
ただし、オゾン分解と過マンガン酸カリウムの酸化には微妙に違いがあります。
それは分解によって生じたアルデヒド基がそのままになるかカルボキシ基まで酸化されるかという違いです。
ポイント
過マンガン酸カリウムもオゾン分解と似た反応を起こす。
ただし、過マンガン酸カリウムの場合はアルデヒド基が生じた際にカルボキシ基まで酸化されるので注意が必要。
例えば先ほどの例ですと、分解後にアセトアルデヒドが生成していますね。
オゾン分解ではアセトアルデヒドが生成して終わりなのですが、過マンガン酸カリウムを使用した場合、アセトアルデヒドはもう一段階酸化されて酢酸まで変化してしまうのです。
ここで起こる酸化反応自体は基本的なものです。アルデヒド基がカルボキシ基になるという酸化反応です。
つまり2つの酸化の違いをまとめると、オゾン分解ではアルデヒド基で反応が止まるが、過マンガン酸カリウムを使う場合はさらに酸化されてカルボキシ基になるということになります。

難関大や医学部を目指す場合はこれらの違いまで知っておいた方が有利ですので余裕があれば覚えておきましょう。
実践問題
それでは復習もかねて実際に炭素間二重結合を酸化させてみましょう。
では次の物質をオゾン分解した場合と過マンガン酸カリウムで酸化した場合の生成物を答えてください。

ではまずはオゾン分解した場合から。次の2つの物質が出てきますね。

次に過マンガン酸カリウムで酸化した場合について考えます。
オゾン分解ではアルデヒド基で反応が止まりますが、過マンガン酸カリウムを使用した場合はカルボキシ基まで酸化されるのでしたね。
したがって、次の2つの物質が出てくることになります。

2つとも正解できたでしょうか。正解するまで何回も繰り返してくださいね!
オゾン分解まとめ
今回はちょっとレアは反応であるオゾン分解について解説しました。
オゾン分解とは、炭素間二重結合を酸化して分解する反応になります。
そしてもう一つ同じような反応として過マンガン酸カリウムによる酸化も覚えておくといいのでしたね。
合わせてそれらの違いも覚えておきましょう。
難関大や医学部を目指している人はオゾン分解を知っておくとかなり有利です。
ぜひ今回の記事を通して理解を深めてください。