高校化学

接触法の仕組みや反応式をわかりやすく解説

歩兵

接触法の反応式や触媒についてよくわからない

今回はこのような悩みを解決します。

接触法はオストワルト法と並んで頻出。しっかりと知識を定着させておかないと痛い失点をしかねません。

今回の内容を参考に、接触法を完全理解してください。

プロフィール

歩兵

・地方公立から京大医学部合格した現役医大生

・「誰でも成績が上がる」勉強法を発信

・個別指導や塾で多数の指導歴と実績あり

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目次

接触法とは硫酸の工業的製法である

まず接触法とは何なのかを理解しましょう。

接触法とは、ずばり硫酸の工業的製法です。

工業的製法とは、「利益を得るための製法」と考えていただければOKです。

ではどのように硫酸を作るのかを学習していきましょう。

接触法の反応式

早速ですが、接触法の反応式を見てみましょう。

接触法の反応式

  1. S + O2 → SO2
  2. 2SO2 + O2 → 2SO3
  3. SO3 + H2O → H2SO4

単体の硫黄からスタートし、2段階の酸化でSO3を作り出します。

そしてSO3を水に通すことで硫酸ができあがります。

反応式を1つにまとめる方法

では次に、接触法の反応式を1つにまとめてみましょう。

反応式のまとめ方は次の通りです。

接触法の反応式のまとめ方

  1. SO2を消去する
  2. SO3を消去する

接触法は単体のSから硫酸を得る反応です。生成物にSO2やSO3が含まれることはありません。

したがって、そのことを利用してSO2およびSO3を消去してしまえば自ずと1つの反応式が得られます。

1.SO2を消去する

まずはSO2を消去してみましょう。

「1番目の式×2+2番目の式」をした次の式が得られます。

2S + 3O2 → 2SO3

2.SO3を消去する

次に、SO3を消去します。

先ほどの式に3番目の式×3を足してあげると、次のようになります。

2S + 3O2 + 2H2O → 2H2SO4

これが3本の式をまとめたものになります。

接触法の触媒

さて、接触法の反応は実は簡単には起こりません。触媒が必要になるんですね。

そしてその触媒が何なのかがよく試験で問われます。

接触法の反応式

  1. S + O2 → SO2 ←Fe2O3
  2. 2SO2 + O2 → 2SO3
  3. SO3 + H2O → H2SO4

接触法においては1番目の反応でFe2O3が触媒として必要になります。

オストワルト法では触媒として白金(Pt)が出てきたのですが、それと混同しやすいので注意してください。

 

【発展】発煙硫酸とは

接触法についてよく出る計算問題の解き方

では最後に、接触法に関する計算問題の解き方を見ていきましょう。

問題

硫黄の単体が3.2kgあるとする。接触法で98%の硫酸は何kg得られるか。

この問題を解く上で必要になるのが、先ほどの3つの式をまとめたものになります。

2S + 3O2 + 2H2O → 2H2SO4

ここから、硫黄1molにつき硫酸が何mol生成されるのかがわかりますね。

ポイント

接触法では、硫黄1molにつき硫酸が1mol生成する。

このことから、硫黄は(3.2×103)÷32=100(mol)あるので硫酸も100(mol)できることになります。

したがって、硫酸がx(g)得られるとすると、そのうちの98%が硫黄から作られた硫酸になるので

x×98/100=98(g/mol)×100(mol)

これを解くとX=1.0×104となるので、これをkgに直して答えは10kgとなります。

まとめ

今回は接触法に解説しました。

反応式・触媒・計算の3つを攻略して、ぜひテストでも完答できるようにしてください。

  • この記事を書いた人

歩兵

京大医学部現役生。地方の公立高校から合格。受験期の自らの体験をもとに「再現性がありかつ成績が伸びる勉強法」を発信している。

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