オキソ酸ってなんか難しい
今回は、そんな漠然とした不安を抱えていたり、オキソ酸に苦手意識を持っている方に向けて、次の項目について解説します。
- オキソ酸とは
- 覚えておくべきオキソ酸とは
- オキソ酸で問われることとは
- オキソ酸に関する問題で得点を取る方法
気になる方は、ぜひ最後まで読んでいってください!
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目次
オキソ酸とは
オキソ酸とは、分子中に酸素原子Oを含む酸のことを指します。
オキソ酸の例として、以下のようにリン酸や硫酸などがあります。
覚えるべきオキソ酸一覧
オキソ酸は数多く存在しますが、高校化学の範囲で出るオキソ酸は限られています。
代表的な以下のオキソ酸を覚えておきましょう。
炭酸(H2CO3)
リン酸
次亜塩素酸(HClO)
亜塩素酸(HClO2)
塩素酸(HClO3)
過塩素酸(HClO4)
オキソ酸に関して知っておくべきこと
具体的なオキソ酸については理解していただけたと思います。
しかし、次のように思っている人もいることでしょう。
オキソ酸について、何を知っておけばいいの?
そんな方に向けて、ここからはオキソ酸に関して、実際のテストでは何が聞かれるのかについて解説していきます。
皆さんが押さえておくべきポイントは次のとおりです。
オキソ酸のポイント
- 塩素酸系の構造式を書くことができる
- 塩素酸系の酸の強さがわかる
実は、試験で聞かれるのは塩素酸系、すなわち次亜塩素酸や過塩素酸についてであることがほとんどなのです。
ここからはそれぞれについてもう少し詳しく解説します。
塩素酸系の構造式を書くことができる
まず重要なことは、塩素酸系の構造式を書くことができること。
すなわち、ブログの冒頭に載せたような構造式を、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸の4つに関して書けるようにしておくことが重要です。
したがって、皆さんがやるべきは、構造式をスラスラ書けるようになるまで練習することです。
しかし、受験生の皆さんの多くは次のような悩みを抱えます。皆さんも困っていませんか?
酸素原子Oの数が毎回わからなくなる‥
きっと、名前と構造式を丸暗記しようとしている人は、このように毎回こんがらがっているのではないでしょうか。
でも、大丈夫です。というのも、「なぜその名前がついているのか」を知れば簡単に整理できるからです。
実は塩素酸系の名前には次のような約束があります。
塩素酸系の名前の約束
- 名前の基本は「塩素酸」
- 塩素酸の酸素原子Oの数を基準とし、多い場合は「過」を、少ない場合は「亜」をつける。
具体例を通して見ていきましょう。
まず、塩素酸は次のような構造で、酸素原子Oの数は3つです。
次に、過塩素酸を見てみましょう。塩素酸よりも酸素原子が1つ増えていますね。
従って、酸素が1つ多いので「過」塩素酸となります。
今度は、酸素原子が少ないパターンを見ていきましょう。
まずは酸素原子が1つ少ない「亜」塩素酸。
ちょっとイレギュラーなのが、酸素原子が2つ少ない「次亜」塩素酸です。
亜塩素さんからさらに酸素が1つ減ったので「次亜」塩素酸となっていると考えましょう。
命名規則を使って、効率よく暗記しよう!!
塩素酸系の酸の強さがわかる
もう1つ絶対に覚えておく必要があるのが、塩素酸系の酸の強さです。
塩素酸系の酸の強さは次のようになります。
塩素酸系の酸の強弱
塩素酸系の酸の強弱は、酸素原子Oが多いほど強くなる。
HClO < HClO2 < HClO3 < HClO4
この酸としての強さの順番を覚えることがオキソ酸学習のゴールとなります。
しかし、単純に覚えるより理屈を知っていた方が覚えやすい方もいると思うので、「なぜこの順になるか」をさらに解説していきます。
ズバリ、酸の強弱を決めているのは「Hを放出した時の安定性」になります。
例えば、次亜塩素酸がHを放出した時、次のようになりますね。
一方、酸素が最も多い過塩素酸がHを放出すると次のようになります。
これら2つを比較すると、Hを放出した時、次亜塩素酸よりも過塩素酸の方が安定していることがわかりますね。
安定しているかどうかを判断する時は、「対称性」に注目するといいでしょう。
過塩素酸の方が明らかに対称性があり、過塩素酸がHを放出した状態は非常に安定しています。
したがって、「過塩素酸はHを放出した時安定している」ことから、「過塩素酸はHを放出しやすい」すなわち「過塩素酸は酸として強くなる」ということが言えるのです。
過塩素酸はHを放出した形が安定しやすいから、酸としても強いんだね!!
まとめ
今回はオキソ酸、特に過塩素酸について解説しました。
重要なことは次の2点です。
オキソ酸のポイント
- 塩素酸系の構造式を書くことができる
- 塩素酸系の酸の強弱がわかる
ぜひ今回の記事を参考にして、オキソ酸に関する問題で点数を取ってください!
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